米国を代表するパイプたばこのようで、私の駅前のたばこ屋さんにも常備してあるほどポピュラーな銘柄です。昔は缶もあったようです。バーレー主体で火付きが良くて正にアメリカンミクスチャー、強さもミディアムとそこそこで割安でお手頃感があります▼私が学生時代に音楽の録音のみを担当したビデオに以下のようなものがあります。まず髪を逆立てた集団が館の中に入っていくと階段からキルトな奴が現れます。彼に統率されて館の中を探索していると豚の集団に出くわします。この時点で音楽がやや激しさを増す部分をもってきました。ところが一番か弱そうな豚一匹をやっつけようとしても巧く剣がささりません。集団で豚の群に向かっていくと押し返したり押し返されたり。曲は入り乱れて混乱します。男の一人が髪の毛を引き裂いて床に突き立てるとアメリカ人とはかくも凶暴なのかと豚の群は恐れをなして退散します。ここで曲はピークを迎えます。彼らが館の奥に侵入すると豊富な食料品を見付けてみなそれを漁るのです▼なんでこんな個人談を持ってきたのかと言うと、このたばこには結構なパンチがあって米国人とはこのような刺激的なたばこを常煙しているのかと思ったのと、アメリカという国に関しての疑問があるからです。ある本で「ではアメリカという国はどこにある? 誰もが椰子のように海を渡ってここへ流れ着いただけだというのに」とも書いてあるものもあります▼よく米国英語は英国英語の訛りで、表記法でも「flavour」を「flavor」と単純化したりして本来のクウィーンズイングリッシュとかけ離れたもので美しくないなどと言われておりますが、方言化したのは英国英語の方だという説があります。英国からの入植者たちがアメリカ大陸で昔からの英語を維持しており、逆に本国の方で言葉の響きが変わっていったと説明されています▼喫煙事情を考えてみてもイングリッシュミクスチャーはたばこ本来の味がするヴァージニア主体でアメリカンミクスチャーはバーレーをブレンドして刺激を加えております。しかしヴァージニア葉の由来は米国ですので「たばこ」としてはどちらが正道なのか判断に迷うところです。日本の学校で教わる英語は米国英語で、アメリカンミクスチャーは初心者にも触れやすく、イングリッシュミクスチャーは難易度が高いと思われがちです▼英国英語にもアイルランド訛りやスコットランド訛りがありますが、英国には未だに差別意識のようなものがあって、ノーブルの家に生まれた子供は特別な学校に通わされ貴族が喋る独特のアクセントの英語をたたき込まれ、庶民とは違う英語を身につけてしまうのです。つまり「成金」が上流社会への参加ができないのです▼私が身に付けてしまったのはアイリッシュイングリッシュで、「I go to school」を「アイ・ゴー・トゥ・スキィウル」と発音してしまい、ある先生から「訛りを直しなさい。『スキィウル』ではなくい『スクール』ですよ」と言われたことがあります▼アメリカンミクスチャーの銘柄はあまり試していないのでもしかしたら的はずれなことを言っているかもしれません。